【新開発】日本人の足にフィットする履き心地を実現! 国産初のチェンソー対策安全靴
2024/12/18
ミドリ安全が、厚生労働省のガイドラインに準拠した国産初のチェーンソー対策安全靴を発売した。送電線建設に従事する企業と共同開発した安全靴のオドロキの機能を紹介する。
改良を積み重ねて製品化
国産初のチェンソー対策安全靴
「高圧送電線の建設は、深い山中で道なき場所を切り開き、樹木の伐採や資材の運搬を行う過酷な仕事です。作業員のけがや事故を防ぎ、屈曲性が良く軽量で作業性に優れ、コスト面でも満足できる安全靴について相談したことがきっかけでした」。
ミドリ安全は、安全衛生保護具業界のリーディングカンパニー。安全靴の開発について、東京電力のグループ企業から相談を持ちかけられたのは2019年のことだった。
安全靴の開発にあたっては、日本特有の粘土質の斜面にどのように対応するのかが大きな課題となった。施工会社の協力を得て約100人の現場試験を2回実施し、5年がかりで厚生労働省のガイドラインに準拠した国産初のチェンソー対策安全靴「V9830C」が完成した。
V9830Cは、刃が安全靴に当たると繊維が飛び出し、チェンソー駆動部に絡みつくことでチェンソーが停止するという安全対策が取られている他、JIS規格(超重作業用)に合格した鋼製先芯を搭載している。
こうした安全性に加えて現場試験のなかで改良を重ねたのが、斜面に対応した屈曲性や耐滑性と、泥が付着しづらい靴底、日本人の足に合うフィット感、片足約950gの軽量さといった快適性だ。木屑や土などの異物が入りにくい袋ベロも、現場の声に応えて追加された。
チェンソー対策安全靴「V9830C」
厚生労働省の「チェンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」に準拠した、日本製初のチェンソー対策安全靴。
JIS規格(超重作業用)に合格した鋼製先芯を搭載。日本人の足に馴染むしなやかな屈曲性や山林の現場に必要な耐滑性など、林業現場の声を反映した一足。
機能
高い屈曲性&耐滑性の山林作業に適した靴底
ゴム1層底ながら、しなやかな屈曲性を実現。屈み作業や昇柱作業で効力を発揮する。また、靴底は土離れが良く、山林での作業においても高い耐滑性を発揮。
切創防止材が飛び出してチェンソーでの事故を防ぐ
前面から側面にかけて切創防止材を内装。チェンソーが靴に触れた際に繊維状の切創防止材が飛び出し、スプロケットに巻き込むことでソーチェンの動きを停止させる
作業現場に最適!
ヘルメットと防護手袋も好調
ミドリ安全は、チェンソー作業時のヘルメット「SC-23」と防護手袋「MT-C」も販売している。
こちらもV9830C同様、安全規格の適合は前提にありながら、日本人の体型や林業の作業現場にフィットした構造や機能が特長となっている。
東京電力グループの作業を請け負うタワーライン・ソリューションの山本英明氏は、「安全靴は足袋を履いているような一体感があり、屈曲性も良いので重さを感じにく
いです。靴底や編み上げの改良、ひもズレの防止など、きめ細かな配慮がなされていているのもうれしいです」とたたえる。
ミドリ安全では「100人規模で現場試験を実施するのは、靴業界では珍しいことです。今後もお客さまのご意見を聞いて、製品の改良につなげていきます」と話している。
ヘルメット「SC-23」
墜落時保護用の規格に対応したヘルメット。通気性・断熱性を考慮した衝撃吸収ライナーを内蔵する。専用イヤーマフやメッシュ面とのフィット性を考慮したほか、イヤーマフに干渉せず脱落を防止する専用耳あご紐や操作しやすいダイヤル式ヘッドバンドを採用し、快適な装着感を実現。
チェンソー用防護手袋「MT-C」
左手の甲部に切断防護材を内蔵(EN ISO 11393-4:2019クラス1に適合)するグローブ。日本のユーザーを想定した柔軟性とサイズ展開が魅力で、手のひらには丈夫で手になじみやすいやぎ革を使用。手にフィットするためグリップ力に優れ、ロープやチェーンソーをストレスなく扱える。
撮影協力
株式会社湯川林業
今回開発されたチェンソー対策安全靴「V9830C」の現場試験に参加した湯川林業。神奈川県足柄上郡山北町を中心に、関東地方全域にて伐採工事を行っている。
問い合わせ
ミドリ安全株式会社
TEL:03-3442-8293(フットウエア統括部)
写真/松尾夏樹
FOREST JOURNAL vol.22(2024年冬号)より転載
Sponsored by ミドリ安全株式会社