STIHLが電動化を推進! バッテリーチェンソー「MSA 300 C-O」と「ガーデニング家電」3モデルを発表
2024/08/27
STIHLが革新的なプロ向けバッテリーチェンソー「MSA 300 C-O」を発売したことは当サイトでもご紹介した。それに先立つ7月には「ガーデニング家電」として一般ユーザーから支持されている小型電動ツールの新機種を3機種発表。新時代に向けて電動化を積極的に推進しているのだ。
STIHLは電動化を推進
「MSA 300 C-O」はその象徴に
STIHLは2024年8月1日、『新しい歴史が始まる』と題した新製品発表会と事業説明会を開催した。
2023年7月に代表取締役社長に就任した中山健太郎さんは「持続可能な社会実現に向けて、当社は製品ラインナップの電動化を推進する。グローバルでのバッテリー製品販売率は2023年には24%だったが、これを2035年には80%にする」と、数字をあげて電動化目標を掲げた。
これまで日本におけるSTIHLは、プロ向け製品が高く評価されてきた。それは製品の高い性能と信頼性、それに人間工学に基づいたデザインによる扱いやすさが、林業の現場で支持された証である。こうしたSTIHLの美点はバッテリー製品であっても当然維持される、と中山さんは強調した。
株式会社スチール 代表取締役社長 中山健太郎さん
ところが一般的には、バッテリー製品は駆動時間や出力に課題を抱えており、それが原因となり、プロ向けとして普及していないのはご存じの通りだ。
そんな現状を打破すべく投入されたのが、バッテリーチェンソーのフラッグシップモデル「MSA 300 C-O」だ。50ccエンジンチェンソーと同等のパワーを誇る、紛れもないプロ向けのバッテリーチェンソーだ。プロの要求にこたえることができるハイパワーを誇りながら、バッテリー製品だから実現する低振動・低騒音、始動性の良さ(混合ガソリン不要かつスイッチオンで簡単に始動)を併せ持つ。
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バッテリーチェンソー「MSA 300 C-O」 価格:138,600円(税込)~
そんな高性能化した「MSA 300 C-O」の能力を、最大限に発揮させるのが、STIHLが独自開発した新型バッテリー「AP 500 S」。フラットセルと制御用回路を合わせた独自の「パワーラミネートテクノロジー」により、従来では実現出来なかった、”50 ccクラスのエンジンチェンソーに匹敵する”高出力を可能にした。さらに、AP 500 Sは従来のリチウムイオンバッテリーに比べて充放電回数が2倍となり、バッテリー寿命が飛躍的に延びた。雨天や濡れた状態での使用も可能(IPX4認証)、いわゆる「STIHL品質」はこれまで通り。STIHLは「MSA 300 C-O」から、新たな時代を築こうとしている。
STIHLのプロ向け製品は今後、確実に電動化が進んで行くが、「MSA 300 C-O」が搭載した新型バッテリー「AP 500 S」は共通プラットフォームとなるはずだから、多様なプロ向けSTIHL製品で共有できるようになるはず。
林業関係者には是非、「MSA 300 C-O」を手に取っていただきたい。STIHLの新たな歴史の1ページを体感できるはずだ。
STIHLの電動化への並々ならぬ意欲は、新たなエヴァンジェリスト(魅力を伝える伝道者)にラグビー元日本代表の畠山健介さんを迎えたことにも表れている。畠山さんは引き締まった表情で「エヴァンジェリスト就任は大変光栄。豊かな歴史と伝統を誇るSTIHLの一員として、自身の行動で『MSA 300 C-O』の可能性を発信したい」と述べた。デモンストレーションでは見事なチェンソー捌きを披露した。
「MSA300 C-O」エヴァンジェリストとしてデモンストレーションを行う、ラグビー元日本代表 畠山健介さん
“ガーデニング家電”が
計5製品のラインナップに
2024年7月に発売されたばかりの、コンパクトで使いやすい「AS システム」を採用した“ガーデニング家電”3モデルも、あらためてお披露目された。
「AS システム」を搭載した電動工具シリーズは、自宅の庭や家周りの作業に最適。特に、細い樹木や低木の剪定、枝の切断やDIY作業に使える「バッテリーガーデンカッター GTA 26」は、その新規性と高性能は電動工具の新たな可能性を示し、(粗悪な模倣品を含めて)数多くのフォロワーを生み出した。
今回お披露目されたのは、バッテリー刈払機「FSA 30」、バッテリーハンディバキュームクリーナー「SEA 20」、バッテリーヘッジトリマー「HSA 30」の3機種。いずれもSTIHL製品らしい高性能を有しながら、バッテリー製品らしい使いやすさを備えている。林業関係者のみならず一般家庭にも、広く普及してほしい逸品ばかりだ。
バッテリー刈払機「FSA 30」
バッテリー刈払機「FSA 30」 価格:2万2,000円(税込)
バッテリー刈払機「FSA 30」はバッテリーを含めて2.3㎏と超軽量。芝生の端や庭での刈り込みに最適である。保護ブラケットを装備しており大切な樹木や低木の損傷も防ぐ親切設計だ。使用者の身長に合わせてシャフト長、草刈りヘッド角度、ハンドルバー各部を、工具なしで簡単に調整できる。縁(ふち)の刈り取りが可能なのもバッテリー刈払機「FSA 30」の大きな魅力。草刈りヘッドは工具なしで90度回転する。カッティングアタッチメントには「プラスチックブレードPoly Cut 3-2」を標準装備。オプションで「ナイロンコードAuto Cut C3-2」を使用できる。
バッテリーハンディクリーナー「SEA 20」
バッテリーハンディクリーナー「SEA 20」 価格:2万4,200円(税込)
バッテリーハンディクリーナー「SEA 20」はパワフルで持続性のある吸引力を有しつつ、豊富な付属品を用途に応じて活用できるハンディクリーナーだ。隙間ノズル、ユニバーサルノズル、延長ノズルやフレキシブルホース、付属品をまとめて持ち運びや保管できる収納バッグが付属する。STIHLお得意の人間工学に基づいたソフトグリップを装備。快適な操作性をサポートしてくれる。ロックボタンを搭載しているから作業中にボタンを押し続ける必要がない。シールフラップが吸引したゴミを回収コンテナに確実に保持してくれる。作業後は回収コンテナを取り外して簡単にゴミを捨てられます。2段式フィルターは洗浄しての再使用が可能となっている。
バッテリーヘッジトリマー「HSA 30」
バッテリーヘッジトリマー「HSA 30」 価格:2万4,200円(税込)
バッテリーヘッジトリマー「HSA 30」はレーザーカット&ダイヤモンド研磨された硬化ブレードを装備しており、STIHL製品らしい正確な切断が可能。バッテリーを含めてもわずか2.2kgと超軽量! さらに作業時の最適なバランスを追求した人間工学に基づいた設計により、腕への負担を軽減してくれる。ヘッドカットやサイドカット時の正確なトリミング作業を実現する。刃先のブレードプロテクションにより、壁や地面の近くで切断する際の損傷を防いでくれる。両刃ブレードの長さは45cm、刃の間隔は22mm。
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取材・文:川島礼二郎