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圧倒的な使いやすさを実現! 現場の声に応えた住友建機の林業仕様機

1963年の創立以来ユーザーの声を反映させた建機を開発・販売し続けている住友建機。その建機をベースとする林業仕様機もまた、ユーザーニーズに応えることで着々と進化している。

林業現場を技術力で支える!
住友建機の開発姿勢と技術力

作業性能、安全性能に配慮した住友建機の最新林業仕様機『SH135X』。特筆すべきは、現場での使い勝手への配慮だ。オプションとして機能を追加することで、既存仕様に慣れたユーザーに加えて、新たに若手オペレーターのニーズに対応している。

細やかな対応を可能とする開発背景について、同社マーケティング部の河上さんに尋ねた。

現場の声を製品に反映させる……それを常に意識して製品開発を行っているところが、当社製品の特徴です。ヒアリング件数は年に数十社となりますね」。

ただ話を聞くだけでは、ユーザーニーズを製品に反映させることはできない。そこで同社では、それを可能にする体制を敷いている。

「当社ではVOC(Voice of Customer)及びQFD(Quality Function Deployment)という仕組みを整備しています。ユーザー様の回答は様々ですし、感性として表現される場合が少なくありません。そうした多種多様な声を適切に項目化したうえで数値化。そして重要度の高いものから設計要素に取り入れて行くのです。

そこで大切になるのは、何を聞くか、です。当社が最も大切にしているのは『操作性』。オペレーターが思った通りに動かなければ、良い機械とは言えませんからね。使い勝手をより良くするために、現行品の不便な部分をお伺いします。

それからもちろん『安全性』『経済性』も欠かせません。大きく分けてこの3つを重点的にヒアリングします。そのなかで、たとえば経済性では、燃費、メンテナンス性、耐久性……といったように、項目を細かく立てて、質問しているんですよ」。

この住友建機の真摯な姿勢は、別の形としても実を結んでいる。それが15年前に締結された、林業大国フィンランドの林業アタッチメント専門メーカーKESLA社との提携である。話は15年前に遡る。当時の日本には、輸入品を含めて、小型でヒノキの枝を打てるハーベスタが存在していなかった。それを可能にするKESLA社製品を、当初は販社改造商品として販売していたが、ユーザーの声に応える形で、同社が直接販売することにしたのだ。

「これにより、品質管理や性能確認、それに新機種開発でも協力できるようになりました。海外製品であっても、住友建機の高水準の品質管理が可能になりますし、当社としても自信を持ってメーカー保証を付帯できる。これはユーザー様の安心感にも繋がります」。

ユーザーの声を取り入れた製品が市販されれば、その声を寄せたユーザーは当然、自分の意見が製品に反映されたことが分かる。ユーザーの立場からすれば、困っていた部分が改善されれば使い勝手や安全性は向上する。それより何より嬉しいに違いない。住友建機のユーザーには、こうしたリピーターが実に多い。ユーザーニーズに応える同社の開発姿勢は、ユーザーとの信頼関係の構築にも役立っているようだ。
 

 

現場の声に応えた注目機能

①オートアクティブソーモード
H/Aモード選択時に、チェーンソー操作時のみSPモードに自動で切り替わる。チェーンソーを最高速度で使用でき、作業効率向上と燃費改善とを両立する、住友建機の独自技術だ。

②バケットシリンダロック機構

作業時の誤操作防止として、バケットシリンダ閉じ操作を無効にする機構。ハーベスタがキャブに近づき過ぎることを防ぎ、安全に作業することが可能となる。

③操作レバースライドスイッチ


レバーのスライドスイッチの操作量に応じてグラップルの旋回速度や開閉速度が変化する。足による操作が不要となるので、傾斜地でも滑らかで安全な操作が可能となる。

④燃料給油ポンプ

「山奥の作業現場で燃料を補給するのが大変……」という現場の声に応えて開発されたのが燃料給油ポンプ。電動だから辛い手作業から解放され、安全性も高まる。

⑤水準器

傾斜地で作業に集中しすぎてしまうと、自身の傾きが分からなくなってしまうことがある。その対策として水準器を装備して、常に傾きが分かるようにしている。
 

 

DATA

SH135X-7

新型13トン後方超小旋回型油圧ショベル「SH135X-7」の林業仕様機。作業性能、安全性能に配慮し、林業現場の声をカタチにした機械だ。

運転質量:13,900Kg、定格出力:76.4kW/2,000min
エンジンメーカー:いすゞ、輸送時全長:7,220mm
輸送時全幅:2,490mm、輸送時全高:2,790mm

問い合わせ

住友建機株式会社
TEL:03-6737-2600


取材・文/川島礼二郎

FOREST JOURNAL vol.5(2020年秋号)より転載

Sponsored by 住友建機株式会社

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