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ベテランフォレスターが徹底比較! 現場目線で語るアイテム試着レビュー【林業用ジャケット編】

機能性に優れた林業用ジャケットは、作業の快適さをサポートする。数多くのジャケットの中からでも、自分に合ったアイテムをしっかりと選びたいもの。そこで今回は、人気メーカー7社のアイテムを着比べ、デザインや着心地、動きやすさなどをチェックした!

≫ 前回の記事「ベテランフォレスターが徹底比較! 現場目線で語るアイテム試着レビュー【防護パンツ編】」はコチラ!

紹介してくれたのは……
出来杉計画の梶谷哲也さん!

こんにちは、奈良県黒滝村森林組合の梶谷哲也です。前回のチェンソーパンツに引き続き、今回は林業用ジャケットを比較していきましょう。
 
機能性に優れた林業用ジャケットはやはり快適です。林業に特化してあるので、普通のワークジャケットにはない特徴があります。また、現場の作業着を林業用ジャケットで「制服化」してしまうと日々着る服に悩むこともなくなるので、気分的に楽ですよ。
 

林業用ジャケットはチェンソーから
身体を守ってくれるの?

今回、紹介したジャケットはチェンソー防護機能のないものです。上半身の切削事故が全くないわけではありませんが、確率からいうと下半身の方が圧倒的に多いのです。
 
そのためチェンソー防護パンツは着用が義務付けられていますが、ジャケットはその限りではありません。チェンソーメーカーから防護機能のついたジャケットも発売されていますので、必要とあればそちらを選択するのも良いと思います。
 

価格と耐久性は?

今回の試着では耐久性は確認できておりません。あくまでも生地の強さなどから判断しております。また、価格の高低についてはあまりとらわれないように、そのジャケットの特徴を取り上げるようにしております。これらを踏まえて、着心地・動きやすさどこが補強されているか裾の状態ベンチレーションポケットファスナーの6項目を検証しました!
 

※1 サイズについて
テスターは身長179cm、体重70kg。普段着用している私服や作業着はLサイズ(国内ブランド)を購入している。今回は各メーカーに協力いただき、おおよそ体系に合ったものを用意していただきました。

※2 掲載情報について
情報は全て2020年3月のものです。価格が変動している場合や、商品が変わっている場合があります。



林業用ジャケット7種類を
着比べてみた!

1.杣 フォレスト2wayジャケット

価格:18,480円(税込)


※モデル着用サイズ:L

腕を外してベストにできるので、季節に対応して着用できる。日本メーカーだけあってサイズ感もちょうど良い。
 

評価

着心地 多少ごわつくが腕まわりは動かしやすい。首周りの広さや襟の高さもちょうど良い。首の後ろに大きなタグがあるため、これがワサワサと気になる。
補強 両肩、両脇、両肘から手首にかけて補強されている。グレーの部分は薄くよくストレッチ。この生地は弱いと思うが、快適性と耐久性どちらを優先するか。
後ろの裾が前よりも8cmほど長い。
ベンチレーション 背中に通気口があり30cmほど空いている。
ポケット 両サイド、両胸にファスナー付きのポケット。左上腕にベルクロ留めのチョーク入れ。
ファスナー フロントファスナーは露出している。

 

2.ファナー ベンチレーションジャケット

価格:34,430円(税込)


※モデル着用サイズ:M

サイズが日本人体型ではないので、ぜひ試着を。輝く蛍光色を君は着こなせるか。
 

評価

着心地 しなやかな着心地で動きやすい。Mサイズでは大きすぎた 。腕も長い。
補強 両肩、前裾に補強 。両肩にはパッドが入っており、担ぎ仕事には最適。生地は全体的に丈夫で耐久性がありそう。
6cmほど後ろが長い ・ずり上がらないようにゴムで締めることができるようになっている 。
ベンチレーション 両脇を最大41cmほどファスナーで開けられる。
ポケット 両サイド、左胸にファスナー付きのポケット。右腹部内側にベルクロ留めのガラケーサイズのポケット。左腹部内側にファスナーのファーストエイド用ポケット。
ファスナー フロントファスナーは露出しないようにカバーされている。

 

3.シップ ダブルAIR ワーキングジャケット

価格:27,500円(税込)


※モデル着用サイズ:M(日本サイズL)

すっきりと軽く、真夏以外は着用できる。汚れやすいお腹周りが黒い生地になっており、これは良いデザイナーの仕事。

評価

着心地 とても軽く動きやすい。襟が高く、また首元が広いのでゴミの侵入が気になるところ。
補強 両肩に補強。
6cmほど後ろが長い。
ベンチレーション 背中に37cmほどの通気口。両脇に5cmほどの穴(⁉︎)があるが、これは本当にただの穴でメッシュはないので、虫などが入ってこないか心配。
ポケット 両サイド、左胸にファスナー付きのポケット。左上腕にファスナーのチョーク入れ。左腹部内側にファスナーのファーストエイド用ポケット
ファスナー フロントファスナーは露出しないようにカバーされている。

 

4.ハスクバーナ テクニカルエクストリームジャケット

価格:37,708円(税込)


※モデル着用サイズ:S

デザインが良く、日本の気候にも対応できそうだが、やはりサイズ感が難しい。ぜひ試着されたい。
 

評価

着心地 ゴワつきがあるものの全体としては動きやすい。Sサイズでは腕が短いか。Mではボワッとした着心地に。襟が高くあごに常に触れている状態。首元は締まっていてフィット感がある分、長さが気になる
補強 両肩と両肘から前腕にかけて補強。
8cmほど後ろが長い。
ベンチレーション 両脇を最大30cmほどファスナーで開けられる。肩甲骨のあたりに約50cmほどの開口部がある。
ポケット 両胸にファスナー付きのメッシュポケット。左上腕にファスナーのチョーク入れ。左腰部内側にベルクロ留めのファーストエイド用。
ファスナー フロントファスナーは露出。




 

5.オレゴン フィヨルドランド

価格:33,660円(税込)


※モデル着用サイズ:L

ツルッとした着心地でサイズ感がちょうど良い。3シーズンというよりは寒い季節向け。
 

評価

着心地 しなやかな着心地で動きやすい。襟周りのサイズ感もちょうど良い。
補強 両肩と両肘に補強。両肩には硬めのパッドが挿入されている。
前後ほぼ同じ。
ベンチレーション 両脇を最大37cmほどファスナーで開けられる。
ポケット 両サイド、両胸にファスナー付きのポケット。左前腕にファスナーのチョーク入れ。左腹部内側にボタン留めのポケット。左腰部内側にベルクロ留めのファーストエイド用ポケット。
ファスナー フロントファスナーは露出。

 

6.マックス マックライトブルゾン

価格:14,300円


※モデル着用サイズ:L

夏用として作られただけあって圧倒的に軽く動きやすい。ただ、デザインはもっと頑張って欲しい。

評価

着心地 大変薄く軽いので軽快に動ける。
補強 両肩にふわっとしたパッドが入っている。
3cmほど後ろが長い。
ベンチレーション 通気口はないが、全体が薄く作られており、涼しさは感じることができると思う。
ポケット 左胸にファスナー付きのポケット。
ファスナー フロントファスナーは露出しないようにカバーされている。

 

7.モンベル ロガーサーマルジャケット

価格:13,200円


※モデル着用サイズ:M

日本のアウトドアメーカーだけあって、体型に良くフィットし着心地が良い。
 

評価

着心地 とても良くストレッチするので、しなやかな着心地。動きやすい。ただし襟周りが広く空いてしまうためゴミが入りやすいか。
補強 両肩と前腕部が丈夫なナイロン生地になっている。
5cmほど後ろが長い。
ベンチレーション 両脇を最大30cmほどファスナーで開けられる。
ポケット 両サイド、左胸にファスナー付きのポケット。
ファスナー フロントファスナーは露出しないようにカバーされている。

 

総評

海外メーカーは日本人のサイズと明確に違うので確認が必要です。襟の高さ、首元の広さ、腕の長さに特に違いを感じます。体のサイズからSサイズにすると腕が短く、Mにすると全体的にブカブカな印象に。
 
またチェンソーを使うときに前屈みになる動作が多いことから、後ろの裾(テール)を長くしているメーカーが多く、ここはどのような動きを重視しているか各メーカーの考えが反映されていて面白いと思います。
 
通気口があるジャケットが多かったですが、風が通り抜けるというよりは体から発せられる熱や汗を発散させるためのものだと感じました。海外メーカーのジャケットはファーストエイドキットを入れるところが常備されており、メーカーや現場作業員の意識の違いが明確です。これは日本メーカーも大いに考えて欲しいと思います。
 
デザインも各メーカーの意識が明確に出ていると感じました。デザインの良さも機能性に劣らず、精神面の快適さにつながる大事な要素だと思います。快適な格好良い「制服」で気分良く仕事したいですね。



本記事のテスター、および取材協力

梶谷哲也


奈良県黒滝村森林組合で20年以上現場作業に従事している。現在は主に高所、樹上伐採を担当。15年以上、林業現場の情報を更新しているブログ「出来杉計画」も運営。
 

円陣株式会社

奈良県吉野地域にて「premium shop HUSQVARNA NARA」を運営。またネットショップ「ENGINE」も展開し、顧客は全国に広がる。

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