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地球温暖化から暮らしを守るために、木を使い、森を育てる【前編】森林の役割とは?

地球温暖化は今なお進行している。地球温暖化からわたしたちの暮らしを守るため大切なのは、木を使い、そして森を育てること。改めて森林の役割を考えてみよう。

地球温暖化―――

それは、遠い未来や、どこかよその国の出来事ではありません。いままさにわたしたちの身近に起きている現象です。

長い歴史の中で、人類がはじめて経験する、人為による気候変化。それが「地球温暖化」。産業革命以降にもたらされた温室効果ガス濃度の上昇・平均気温の上昇。まさに今、地球温暖化は進行しており、でその影響を緩和できるかどうかは、わたしたちのこれからの10年の行動にかかっているのす。

地球温暖化を食い止めるためには、温室効果ガスの排出を抑制するための技術革新を推し進めると同時に、多くの生きものにとってとても重要な役割を持つ森林を保全し、その機能を維持させ続けることが不可欠です。

[図解]温室効果ガスのメカニズム


地球の気温が現在の生物・生態系にとってほどよい気候を保っているのは、大気に含まれる二酸化炭素などの「温室効果ガス」のおかげだ。温室効果ガスのおかげで、地球の平均気温は14℃ほどに保たれてきた。しかし、産業革命後以降、人為による温室効果ガスの増加が地球温暖化の最大の原因となっている。

 



 

森林の役割

森林は木材生産をしてくれ、散策やハイキングなどレクリエーションの場を与えてくれます。もちろん、生物の多様性を保全する本来の自然生態系としてのだいじな役割を持っています。さらに森林には、防災や水源かん養など暮らしを守ってくれている大切な機能がいくつもあります。

そして、いま注目されている機能が、地球温暖化から人類を救うカギとなる二酸化炭素の吸収と炭素の蓄積という大きな役割です。

森林は、わたしたちの暮らしを支えるいろいろな機能を発揮している

 

炭素を吸収する

樹木のおよそ半分は炭素でできています。自分のからだの素材として炭素を利用するために、樹木が温室効果ガスである二酸化炭素を吸収してくれたなら、そして、その木材を生活にもっとたくさん利用したなら、それだけ温室効果ガスを大気中から身のまわりの住宅や家具として貯めておくことができるというわけです。

樹木をはじめ植物は、二酸化炭素を吸収してからだをつくっている。すなわち、温室効果ガスを貯めてくれています。

日本の森林では、どこにどれくらいの炭素が蓄積されているのか?

樹木のからだと土壌の表層に、多くの炭素が蓄積されている。土壌の30cmまでに地上部の1.3倍、1mまでに地上部の3倍の炭素を含んでいることになる。



1年当たりの森林(幹・枝葉・根)による平均的な炭素吸収量

炭素の吸収量は、おなじ樹種でも地域や立地環境などによってちがう。ここでは、およその平均値をだしている。

 

 

よりくわしく見るなら

「森林と気候変動 おとな版」電子版(低解像度版)

 

問い合わせ

公益社団法人 国土緑化推進機構


公益社団法人 国土緑化推進機構発行「森林と気候変動 おとな版」より抜粋・編集
イラストレーション:堀川理万子

FOREST JOURNAL vol.16(2023年夏号)より転載

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