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現在の川上の課題は? 『データの蓄積と活用』と、それを使える『人材の育成』が重要に

スマート林業技術で進む、データ活用! 森のしくみづくりを支える国の取り組みを見ていこう。今回は、農林水産省 林野庁の森林情報高度化推進官・榎本大輔さんに、川上の課題を聞いた。

川上の課題は『データの蓄積と活用』
それを使いこなせる『人材の育成』

国の施策として、森林施業の効率化・省力化や需要に応じた高度な木材生産を可能にするため、地理空間情報やICT、ロボットといった先端技術を活用したスマート林業の実現に向けて、様々な取組を行っています。

林業生産を行程段階で分けると、資源段階、生産段階、流通段階とに3分割でき、特に計画課では、この3段階のなかで、資源段階および生産段階のいわゆる川上段階においてデータをきちんと整備する体制を整えるべく、スマート林業を推進しています。

資源段階では、森林整備や木材生産の効率化に不可欠な施業集約化を目的として、森林情報の高度化・共有化を支援しています。具体的には、航空レーザー計測等の活用による森林資源情報のデジタル化や森林クラウドによる関係者間の森林情報の共有化です。

現在、林業の主流は並材です。また日本の森林は今、伐倒期を迎えています。ですから現在の川上支援としては、林業生産者がロットを拡大する、安定供給できるよう、森林資源データを蓄積して、それを活用してもらう。そうした環境の整備が、重要であると認識しています。



航空レーザー計測が進み、森林資源データの蓄積については流れができつつある一方で、これから更なる普及を後押ししたいのが、山土場における材積データの取得です。現在は、山土場での出材量を把握があまりできておらず、出材情報が蓄積されておらず、材が小出しで川中に運材されています。ですので、山元還元や川中への安定供給のためにも、材積データを川上がきちんと把握して、それらのデータをとりまとめ、そのデータを基にした運材をするようなシステムの構築が地域において大切になると考えています。

もう一つの課題は、データを扱うことのできる人材育成です。データを蓄積し、それを運用できるシステムを構築することは大切ですが、それを利用して川上・川中・川下が利益を得られなければ意味がありません。スマート林業全体でデータを活用できる人材を育成すること、それも課題ではないでしょうか。
 

教えてくれた人

農林水産省 林野庁 森林整備部 計画課 全国森林計画班
森林情報高度化推進官
榎本大輔さん

 

木材SCM(サプライチェーンマネジメント)とは……

川上・川中・川下のなかで木材価値の向上を図るために情報の共有を行う取り組みのこと。ICTを活用し、生産段階の森林資源や材積データを高度化・見える化し、流通段階へと情報共有を行うことで、木材生産と流通全体のコストを削減、効率化していくことができる。


文/川島礼二郎

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