滋賀「県民アクションガイド」どんな実例があるの? みんなで地域を元気にできる指針
2022/09/05
滋賀県が行うのは、都市とやまをつなぎ、人と資源が循環する「やまの健康」推進プロジェクト。県民みんなを巻き込み山を元気にするため、制定した「県民アクションガイド」とは? モデル地域の事例も紹介!
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(左)「県民アクションガイド」
(右)「やまの健康」イメージキャラクター「やまのおっ山(さん)」
県民みんなでアクション
山を元気にする仕組みづくり
ーやまで健康になる、やまを健康にするー「やまの健康」を県民とともに進めるために、滋賀県では『県民アクションガイド』を制作した。滋賀のやまを健康にするためのステップと、都市に暮らしながらやまに関わるための具体的なアクションを紹介し、やま・都市両方からのアプローチの仕方を示している。
例えば、木工製品を使ってみる・作ってみる、薪やペレットのストーブを使ってみるなど、12のアクションはどれも楽しみながらできることばかり。アクションガイドなどの資料を配布したりSNSを使ったり、情報発信にも力を入れる。
「やまの健康」
みんなで動くための行動指針!
▶ やまのチカラを磨く4つのステップ
・地域のやまの、特徴・魅力を知ろう
・未来のやまのプランを作ってみよう
・やまの魅力を高める工夫をしよう
・いろいろな人との交流を深めよう
▶ まちからやまへ12のアクション(一部抜粋)
・食器やおもちゃなど木でできた製品を使ってみよう
・子どもと一緒に自然体験の活動に参加しよう
・やまの中で自由なライフスタイルを楽しもう
・やまのコミュニティ・ビジネスを始めよう!応援しよう!
木のことをもっと知ろう! 木育イベント
木製品でアソボウ! FATHER FORESTスポーツ『レイクッド』
それぞれの地域の魅力活かす
モデル地域の活動
プロジェクトでは、「やまの健康」のモデル地域を選定し、活動の支援も行っている。現在のモデル地域は、大津市葛川地域、米原市伊吹北部地域、栗東市金勝地域、甲賀市大原地域、高島市南深清水地域の5カ所。
滋賀県庁職員で「やまの健康」推進プロジェクト事務局の平野さんは、こう語る。「それぞれが持つ資源や魅力を活かして地域を元気にしていくために、庁内の部局が多角的に関わっています。部局横断で取り組んでいるからこそできる関わりだと思います」。
農山村と都市をつなぎ県民を巻き込むプロジェクトで、県民をはじめ様々な企業に、良いムーブメントが少しずつ広がっているという。滋賀県は、森林・林業・農山村の3本柱で「やまの健康」を目指していく。
「やまの健康」
モデル地域
県では、地域住民自らが、地域資源を活かし、農地や森林等の保全活用の方法検討や、地域経済の活性化等を目指す地域を、モデル地域として選定、その活動を支援している。住民自らアクションを起こして「やま」と「都市」を繋ぐ活動を行う。
米原市伊吹北部
木を伐り出して炭づくり
栗東市金勝地域
山林をMTBトレイルに活用!
高島市南深清水地域
オリーブ園をツーリズムに活用
甲賀市大原地域
薪活用で木材資源の地域循環を!
大津市葛川地域
スギからアロマオイルづくり
山、森林、農山村の持つ魅力を生活の一部に取り込めるよう、具体的な行動指標「アクションガイド」を立場別に提示、面白くPRし楽しんでもらう!
PROFILE
「やまの健康」推進プロジェクト事務局
平野里子さん(左)、田中孝佳さん(右)
平野さんは都市部で暮らす経験から、都市と農山村の循環を、都市部住民の視点も活かして取り組んでいる。自然が大好きという田中さんは、「県民のみなさんに、自然の恵みを取り入れた暮らしを知ってほしい」と木育啓発やキャラクター活用に始まるユニークなPR活動にも力を入れる。
取材・文:鈴木ゆうこ