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大阪ガスが早生樹の植林スタート! 木質バイオマス発電の燃料費問題に地産地消化で挑む

国産材を活用した地産地消型のバイオマス発電事業を展開するDaigasグループ(旧大阪ガスグループ)が、今年4月より木質バイオマス発電の燃料用向けの植林を自社で行う。国内林業の持続可能な成長を目指す。

 

国内の木質バイオマス発電は
2030年度に向けて規模拡大

2021年10月、閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2030年度における国内の再生可能エネルギー(太陽光、水力、風力、バイオマス、地熱)の比率の想定を、従来目標の22~24%から、36~38%までに拡大することを目指している。

そのなかでも、間伐材や木くずが燃料となる木質バイオマス発電は、国内林業活性化の起爆剤として大きな期待がかかっている。昨年2021年には、愛知県田原市の臨海部で、大規模な木質バイオマス発電所の開発計画が相次いで発表されており、2030年に向けて盛り上がりを見せてくれそうだ。



そうした状況のなか、国産木材を使った燃料の卸売りを手掛ける、大阪ガスの子会社・グリーンパワーフュエル(以下GPF)が、安定的なバイオマス燃料供給の体制を目指す実証事業を発表。2022年4月より、兵庫県宍粟(しそう)市との協力で、市内の森林や耕作放棄地で、バイオマス発電用の植林を始めている。

 

運用の6割を占める燃料費を
国産早生樹でコストダウン

GPFは、国産木質バイオマスの調達・搬送・販売を行う事業会社として2019年に設立。全国の林業関連事業者との協議を重ね、これまでに年間約10万トンの国産木質バイオマス調達能力を確保している。今後はDaigasグループが参画するバイオマス発電所等に供給することで、バイオマス燃料の地産地消化を推進していく予定だ。


Daigasグループバイオマス専焼発電所一覧(稼働中・建設中)

木質バイオマス発電の課題は、運用費の大半を占める燃料費だ。とくに、海外材よりも高価な国産材の利用は進みにくい。

そこで一般的な樹種よりも短い成長・伐採サイクルが期待できるセンダンなどの早生樹を活用。GPFでは、バイオ燃料に特化した早生樹の森林経営の確立を目指し、同時に地域の林業の活性化につなげていく。


GPFの取り組みと、大阪ガスの国産バイオマス燃料への取り組み

 

地産地消のバイオマス発電で
持続可能な国内林業を目指す

宍粟市は兵庫県中西部に位置し、中国自動車道と山陽と山陰を結ぶ国道29号が交差する交通の要衝。森林が面積の約90%を占め、古くから地元の森林資源を利用した木材や木工製品・家具等の生産が地場産業として栄えてきた。

この地で新たに持続可能な国内林業の事業モデルが展開されることで、今後は各方面から注目が集まりそうだ。



Daigasグループでは、2030年度までの国内電力事業における再生エネルギー比率を50%程度にすることを目指している。2030年まではあと8年足らず。木質バイオマス発電と林業の共存共栄が実現する近い未来に期待がかかる。

 

DATA

大阪ガス株式会社

文/後藤あや子 


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