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木の繊維を練り込むとスイーツがおいしくなる!?《知ってる?木質バイオマス最新活用》

木質バイオマスの活用方法は、もうエネルギー利用だけじゃない。牛が食べ、人も食べる!? 木質バイオマスの新しい活躍方法とは。里山林の広葉樹活用に貢献しながら安心して楽しめる嬉しい製品を紹介しよう。

 

南都留森林組合のおが粉で作る
しいたけ栽培セット

産直と環境にこだわり 安全安心な食材を提供する生活協同組合連合会パルシステムが、2014年から森林分野での産直提携を山梨県南都留森林組合と始めている。

同組合は「未来につながる森づくり」を積極的に行い、これまでパルシステムとともに間伐材の器やおもちゃ、木材100%の猫砂など、地域の森林資源を活用した商品を生み出している。


「Link・林 猫砂」は杉と松の間伐材100%で製造した猫砂。封を開けると森の香りがふんわり。

 
2022年10月から注文予約を開始した『めぐる森のしいたけ栽培セット』の菌床に使用するおが粉は、南都留森林組合が伐採した広葉樹が原料。

菌床を浸水させ、室温で一定の湿度を保っておけば、7日ほどでしいたけが育つ。生長したら軸ごとカットし、収穫後も再び水に浸せば、3回ほど栽培可能だ。新鮮なきのこを味わいながら、里山林の広葉樹利用にも貢献できるしくみだ。
 

DATA

●商品名:めぐる森のしいたけ栽培セット
●価格:1,078円(税込)※生協に加入して購入
問/パルシステム

 

牛が木材チップを食べる?!
その名も『元気森森®』。

日本製紙が開発したのは、高消化性セルロース。木材チップから牛が消化しやすいセルロース繊維だけを取り出し、繊維量と栄養価が非常に高い養牛飼料『元気森森®』の提供を始めた。

トウモロコシ並みに消化率が高く、乾牧草と同様に緩やかなスピードで消化され、試験導入では乳量や繁殖力が良好になったという結果も。昨今、輸入飼料の価格が高騰される中、安定した国内生産というのも安心でき、牛にも人にも森林にも嬉しい製品だ。

DATA

●商品名:元気森森®
問/日本製紙株式会社

 



 

どら焼き、クレープ、チーズケーキ
木の繊維がスイーツをおいしくする

セルロースナノファイバー(以下CNF)は、木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで生まれる最先端のバイオマス素材。

CNF素材『セレンピア®』は、工業製品だけでなく、スイーツの材料としても活用されていて、こちらもマテリアル活用を国内でいち早く取り組んでいる日本製紙の開発品。熱変形が小さい、表面積が大きいなどの多彩な特徴を持つのが強みのCNF。

どら焼き生地にセレンピアを練りこむことで、よりしっとりとやわらかな口当たりに。生クリームやカスタードクリームに加えれば、なめらかで濃厚な食感がアップ。最近では米粉パンをふっくらさせるための採用が増えている。

スイーツなどの食品のほかコスメでもCNFが使われており、潤うがべとつかない使用感が男性にも人気だとか。今後ますます用途が増えそうだ。

DATA

●商品名:セルロースナノファイバー(CNF)
問/日本製紙株式会社




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