日本初、林業大学校にPONSSE搭乗型シミュレーター導入! リアルに近い練習を実施
2022/03/03
北海道旭川市にある林業大学校・北海道立北の森づくり専門学院に、日本では極めて珍しい搭乗型シミュレーターが導入された。
林業機械のオペレーター育成に
シミュレーターを活用
北の大地という言葉で表現されるほど広大な面積を誇る北海道。そのため同地の林業は地域ごとの特色を活かして行われている。本州に近い樹種が森林を形作る道南地域、カラマツを中心とした地域材活用に取り組む十勝地域、自然環境との調和を目指す根室地域、といった具合だ。
そんな北海道で、100年先を見据えた森林づくりに向けて林業・木材産業の中核を担う人材を育成する林業大学校が、北の森づくり専門学院である。見学や実習、インターンシップを通じて全道を巡り、各地域の特色溢れる林業を体験して林業技術を学ぶことができる。林業大国であるフィンランドの林業教育プログラムを導入しているのも同校の特徴である。林業機械のオペレーター育成に、フィンランド式の体系的な教育が行われている。
そこで活躍しているのがシミュレーターだ。シミュレーターとは、ハーベスタやフォワーダの操作を、ディスプレイの画面を見ながら実物同様のジョイスティック等を動かすことで学ぶ機材である。
これまで日本ではあまりシミュレーターは活用されていなかったが、林業先進国では広く普及している。実習で必要となる燃料が不要であること、商品となる木材を無駄にしなくて済むこと、また事故や機械を破損する恐れがないのがメリットである。そのため林業先進国では、安全な環境で操作に習熟してから実習を行うための導入ツールとして、学校のほか林業関連企業等において、研修や練習のために活用されている。
卓上型シミュレーターに比べて
リアルな操作感覚を学べる
同校が2021年12月9日に導入した搭乗型の『フルシミュレーター』は、新宮商行機械部林機課(北海道小樽市)が2008年から日本総代理店を務め輸入販売しているフィンランドのPONSSE製品。他社製品でも正面のメイン画面は3分割だが、PONSSE『フルシミュレーター』では画面の繋ぎ目が細い。今回導入した製品は画像データが従来品からバージョンアップされており、実機に乗った時の視界がリアルに再現されている。また、スタートからゴールに何秒かかったのか、どういうルートを辿ったのか、どの方向に木を伐倒したのか、といった操作に点数をつける採点機能を搭載しているという。
PONSSE『フルシミュレーター』の使用イメージ。
北の森づくり専門学院では、2020年の開校から卓上型のコンパクトシミュレーター10台を導入している。同校の担当者に今回のフルシミュレーター導入の経緯を聞いた。
「これまで、コンパクトシミュレーターと実機とを組み合わせた実習を行ってきました。コンパクトシミュレーターは実機使用前の練習には適しているものの、走行などの操作が実機と異なる点が気になっていました。そこで2021年12月、よりリアルな操作を学べる搭乗型シミュレーターを導入しました。本格的に活用するのは新しい教育プログラムが始まる来年度からですが、PONSSE製シミュレーターは3面の大きな画面があり、搭乗型なので足も使いますから、卓上型のコンパクトシミュレーターより、さらにリアルな操作感覚を学ぶことができると期待しています」。
北の森づくり専門学院に導入されたPONSSE製『フルシミュレーター』。
世界トップクラスのシェアを誇る、フィンランド生まれの林業用車両・機械メーカー。製品の特徴は、高性能であるだけでなく丈夫であること。抜群の耐久性と信頼性を誇る。また、メンテナンス性を考慮した構造にも定評がある。日本では株式会社新宮商行が総代理店として、ハーベスタ・ハーベスタヘッド・フォワーダーを販売する。
問い合わせ
PONSSE 日本公式サイト(新宮商行機械部林機課)
TEL:0134-24-1315