分かるともっと楽しい!日本伐木チャンピオンシップの競技の見どころや解説を紹介
2024/07/11
世界大会への切符をかけて、チェンソーの技術を競い合う本大会。「どのように競うの?」と疑問に思う方も、そうでない方も、わかるともっと楽しくなる競技の見どころや解説をご紹介!
競技内容と評価基準
日本伐木チャンピオンシップ(JLC)は世界伐木チャンピオンシップ(WLC)のルールに準じて、「伐倒」「ソーチェン着脱」「丸太合わせ輪切り」「接地丸太輪切り」「枝払い」の5種目で競い、種目ごとに設定されたポイントの総計で順位が決まる。
主な加点ポイント:短時間、正確さ、質など
主な減点ポイント:安全規則を守らない、木にダメージを与える
伐倒競技
自分で定めた標柱(目印)にできるだけ接近して倒せるよう、3分以内に木を伐倒する。(3分を超えると減点)
5種目の中で最も配点が高く、安全作業を意識しながら正確性が求められる。林業の事故で最も多い“かかり木”(倒す木が隣の木などに引っ掛かってしまうこと)を防ぐことなどを想定して、狙った場所への正確な伐倒技術、伐倒後の退避が重要なポイントになる。
<競技の見どころ>
スピード ★☆☆
正確性 ★★★
<競技最高得点>
660点(第5回決勝 最高得点660点【日本新記録】)
ソーチェン着脱競技
チェンソーからソーチェン(刃)を外し、ガイドバーの上下を入れ替えて取り付け、別のソーチェンを素早く装着する。チェンソーで木を伐る技術だけでなく、普段のメンテナンスなどチェンソーの構造を理解しておくことが必要になる。
※続けて行う、丸太合わせ輪切りと接地丸太輪切りの間はチェンの調整ができないため、競技の際にソーチェンやバーカバー、ナットが外れた場合は、この競技の得点は0点になる。
<競技の見どころ>
スピード ★★★
正確性 ★★☆
<競技最高得点>
約136点(第5回決勝 最高得点132点)
丸太合わせ輪切り競技
地面から7°に傾いた2本の丸太を垂直に上下から切り出し30~80mmの厚さに輪切りする。切り出す順番は下側から半分、残りを上側と順序が決まっており、赤いラインの中で合わせなくてはならない。山という傾斜地では、傾いた状態で木を輪切りするする作業になりがちの為、チェンソーの角度を巧みに変えて、丸太を垂直に切る技術が試される。
<競技の見どころ>
スピード ★★☆
正確性 ★★★
<競技最高得点>
200点(第5回決勝 最高得点187点)
接地丸太輪切り競技
地面に接地している2本の丸太を上から垂直に30~80mmの厚さに切り出す。丸太が接地面の表面とどこで接しているかわからないように、接地面の上は薄くおが屑で覆われている。接地面が目で見えない為、日頃チェンソーを使いこなし、その感覚を身に付けているかが問われる。
<競技の見どころ>
スピード ★★☆
正確性 ★★★
<競技最高得点>
250点(第5回決勝 最高得点238点)
枝払い競技
6mの丸太をまっすぐ差し込まれた30本の枝をスピーディーに払って(切り落として)いく難易度の高い競技。どの選手も共通のパターンで枝払いを競う。枝払いの跡が5mm以上残ったり、丸太に深さ5mm以上または長さ35cm以上の傷がついたりすると減点の対象となり、急げば急ぐほどミスが多くなる為、枝を正確に払うことが重要になる。
<競技の見どころ>
スピード ★★★
正確性 ★★★
<競技最高得点>
約450~460点(第5回決勝 最高得点430点)
DATA
出典:第5回 日本伐木チャンピオンシップ ガイドブック
FOREST JOURNAL vol.20(2024年夏号)より転載