林業ってどんな仕事? 新米林業家が綴る 「林業の一日」! 下刈りシーズン編
2022/06/24
林業に興味がある。だが実際のところ、林業は面白いのか、キツいのか!? 林業に転職して3年目の林業従事者が「新米目線」で紹介! 一日の過ごし方や作業内容を生き生きと綴るコラム。
林業3年目、
新米林業家のとておです!
僕はとある地方の森林組合に務めていて、2022年5月で林業3年生になったばかりの『林業初心者』です。
僕には3人の子どもたちがいます。子どもたちが大きくなってきて、『土日祝日』は家族で一緒に過ごしたいと思ったのがきっかけで、3年前に転職しました。ちなみに、以前は『自転車屋さん』のお仕事をしていたのですが、サービス業だったため『土日祝日』はお仕事でした。
日頃、林業のブログを書いています。
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「初心者だからこそ見えるところ、ベテランになるにつれて忘れていくところ」を大切にしながら書いています。林業界のポジティブな部分もネガティブな部分も、自分が体験したことをなるべくリアルに伝えていきたいと思い、ブログに書き綴っています。
新米林業家が経験した
『下刈りシーズン』
林業の仕事はさまざまにありますが、今回は下刈りシーズンの1日の流れを紹介します。
下刈り作業は、植えた木の周りの雑草などを刈る作業を指します。雑草などを放置しておくと、植えた木を覆い隠してしまい、木の成長(生長)を妨げてしまいます。僕の所属する森林組合での下刈りシーズンは6月~9月頃までですが、冬場に下刈りをする団体もあるようです。
下刈り作業の基本の復習はコチラから!
作業開始!
林業家の朝は早い!
僕は林業に転職してすぐに『下刈り作業』に入ったのですが、所属していた作業班では『サマータイム』を導入していて朝5時から作業開始でした。
夏場の最も暑さを感じる時間内の作業を避けるため、通常の出勤時間より早く出て、その分早く帰るというシステムです。
この『サマータイム』、早起きは辛いけど、下刈り作業との相性は抜群なんです。
下刈り作業は、体力が消耗しやすい夏場の暑い時期に行うので、とても根気と体力のいる作業です。また、植えた木の高さはこの時点で、ひざ下から自分の背丈くらいまで。「植えた木の周りの雑草を刈る」ということは、基本的には“木陰が無い”状態です。
下刈りの作業範囲内には高い木がほぼ存在していないので、直射日光を浴びながら、草刈機(刈払機)を振り回し続けなくてはなりません。
『サマータイム』では、陽が昇る前の朝5時から作業を開始して、陽が一番高くなる正午を過ぎて作業を終了します。そうすることで、涼しい時間帯から作業をはじめ、一番暑くなる時間帯には終了、家に帰ることが出来るわけです。なので夏場は『サマータイム』での作業を実施します。
現場が遠い場合は朝4時前に家を出発することもあり、早起きが苦手な方にはとてもツラいシステムですが、真夏の炎天下での下刈り作業を一度でも経験すれば、きっと早起きしたくなる…はずです!(ちなみに僕は早起きが得意です!)
昼休憩!
朝8時に「お昼ごはん」
作業開始が朝5時なので、だいたい8時から9時の間にご飯休憩に入ります。朝食を家で食べる方からすれば、『朝8時にお昼ごはん』になるわけです。…朝食2回でもアリ?
休憩は一度に長時間休憩するのではなく、5分~10分くらいの休憩を細切れに取っていて、その中にお昼休憩も含まれています。このこまめな休憩が結構大事で、下刈り作業は集中しすぎると水分補給を忘れがちになり熱中症発症に繋がります。僕自身、2回ほど頭痛と吐き気が強烈な熱中症になりました。
暑さ対策として、僕の所属する森林組合からは空調服(扇風機がついた服)が支給されます。この空調服のおかげで熱中症のリスクはかなり下がっていると思います。
水分補給については、「熱中症対策として、スポーツドリンクだけを飲むのは避けましょう」とポスターなどに書かれているのをよく見かけます。理由については医学的な話なので書き控えますが、僕は麦茶とスポーツドリンクを2リットルずつ用意していました。
僕の場合、下刈り作業中、暑さが厳しく体力的に辛いと感じる時、どうしても「味のする飲み物」が飲みたくなります。あと、冷たい炭酸飲料も。そんなとき用にスポーツドリンク、のどを潤すために麦茶、のように飲み分けてます。
熱中症は本当に危険なので、こまめな休憩、こまめな水分補給をしっかり取って、安全に作業しましょう!
終業!
林業家は帰るのも早い
朝5時から作業をはじめているので、12時~13時の間には作業終了です。家から現場が近ければ、(本来の時間で!)家族とお昼ごはんを食べることが出来ます。
『サマータイム』のメリットとして、「家族との時間が増える」という部分が、個人的にはとても大きなメリットだと感じています。僕には3人の子供がいて、子供たちとの時間はとても大切。サマータイムのおかげでタイミングが合うので、幼稚園のお迎えにも行けます。これまでの仕事ではできなかったことで、子供たちの姿をより多く見ることが出来るというのは、とても嬉しいものです。
ワークライフバランスを意識して、仕事もしっかり頑張りながら、家族との時間や自分の時間というのを大事にできる林業、続けたいですね。
就寝!
林業家は寝るのも早い!?
朝5時に作業開始の『下刈りシーズン』は、午前3時には起きて準備をしています。なので、もちろん夜寝る時間も早いです。僕の場合、子供たちと一緒に20時には寝るようにしています。昼間には家に帰っているので、お昼寝が出来るときはそこで睡眠時間も確保しているので、思うほどツラくはないですが、朝が苦手な方にとっては慣れるまで地獄のような日々かもしれません。
下刈り期の林業しごと、
いかがでしたか?
これを読んだ方は林業を「うわぁ、夏場きつそう」「早起き、ツラそう」と感じた方もいると思います。事実、体力的にはとってもとってもハードです。
僕が林業に転職する前は、「林業はきついぞー」、「続けられるんかー?」と周りから多大な心配と強いプレッシャーがありました。でも、そのプレッシャーのおかげで、「林業はきつくてしんどい仕事だ!」と覚悟を決めることが出来たので、多少ツラくても耐えることが出来たのかもしれないと考えています。
例えば、「林業しんどいって言うけど、やってみたら結構やれるもんだよ」なんて言われ、その言葉を鵜呑みにしていたら、「大ウソつきー!!」って叫んでいたと思います。
なので、ちゃんと本当のことを言います。林業はめっちゃきついですよ!!!!! と、体力的にきついのは事実ですが、現場が完了したときの達成感はもちろんありますし、僕の場合は家族との時間が増えたことに、とても満足しています。
もちろん、各森林組合や企業によって、仕事の進め方や取組みなどは違います。これから林業に転職される方がいらっしゃれば、今回の記事はひとつの例として、参考にしていただければと思います。僕自身、『サマータイム』は今の森林組合に入って初めて知ったので、こちらも参考になればと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、本日もご安全に!!
PROFILE
新米林業家
とてお
とある地方の森林組合に務めていて、林業3年生になったばかりの『林業初心者』。
「新米林業家とておの林業ブログ」にて、林業初心者目線で『林業』についての情報発信をしています。
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