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泡の力で苗木の成長を促進! ファインバブル水の効果を世界で初めて証明

微細な泡を含んだ水によって、苗木の生育が促進される。そんなユニークな研究成果が発表された。生産者の高齢化が進むなかで、苗木の安定供給を進める新技術として期待が集まっている。

苗木の生育期間を大幅に短縮

岩谷産業株式会社は、ファインバブル水(微細な泡を含んだ水)に針葉樹苗木の生育を促進する効果があることを世界で初めて明らかにした。

近年、国民病である花粉症の被害を軽減するために「少花粉スギ」の苗木への植え替え需要が高まっている。ところが、苗木の生産者は高齢化のあおりを受けて年々減少。いかに栽培工程を効率化するが問われてきた。

こうした背景を踏まえて、同社が着目したのがファインバブルだ。ファインバブルとは直径100μm以下の微細な泡のこと。空気を用いて水中でファインバブルを発生させると、酸素濃度の上昇や活性酸素の発生といった効果があることが知られてきた。実際に農業分野では、大麦の発芽促進や、ブルーベリーの成長促進など、ファインバブル水によるさまざまな効果が報告されてきた。

左側:ファインバブル水で育てた苗木/右側:通常の水で育てた苗木

これを林業の分野で初めて実証したのが、岩谷産業。約8ヶ月に渡る実験の結果、ファインバブル水を利用して栽培したスギのコンテナ苗木は、通常の水を利用して栽培したものに加えて、苗高が33.6%、幹直径が28.8%増加。枝や根の張りも良くなるなど、顕著な栽培促進効果が明らかになった。

スギのコンテナ苗木では、苗高と根の張りが重要な出荷基準となる。ファインバブル水を栽培に利用することで、これまでは出荷まで2~3年かかっていた生育期間を、1.5~2年にまで短縮できると期待されている。

現在は2020年度中の実用化に向けて、さらに研究を進めている。ファインバブルで育てた苗木を実際に植林し、活着率(枯れることなく根付く割合)にもポジティブな影響を与えられるかも検証していくという。文字通り林業の根幹を担う苗木栽培を加速するファインバブル水に、今後も期待したい。

DATA

岩谷産業株式会社


Text:松田敦

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