数々の特許を武器に高品質の合板製造を実現! 国内シェアNo.1の秘密とは?
2019/08/13
合板を製造する過程において次々にわく疑問を解決するため、様々な加工機械を自社開発した名南製作所。数々の特許を取得し、国内シェアナンバーワンの製品も生み出した。今回、5月27日から5日間、ドイツのハノーバーで開催された木工林業機械展LIGNA(リグナ)に出展していた名南製作所の中谷孝さんと、内藤晃嗣さんにお話を伺った。
創業のきっかけと
レースの国内シェアNO.1まで
当社は1953年創業です。もともと創業社長が太平製作所さんで務めており、自分で機械を造りたいということで独立したのが始まりです。
当初は「サンディングマシン」という、合板の表面などを研磨する機械の製造から開始しました。その製品は世の中で認めてもらったのですが、そこで「なぜ合板はここまで削らないときれいにならないのか」という疑問がわいてきました。
そこで気づいたのが、合板に使われている単板をきちんと接合していないと、研磨の量が増えてしまうということでした。そのため、合板に使う板をしっかり作ろうということで、単板同士をくっつける「コンポーザ」を自社開発しました。
それでもまだ納得のいく品質にはならなかった。なぜなら、単板の生産で使う「レース」が従来品では、堅すぎる原木、逆に柔らかい原木、また小径の原木から製造することが困難だったからです。
そこで単板そのものをきちんと作りたいと、レースも自社開発することになりました。おかげで今やレースは国内シェアナンバーワンになりました。海外でいえば、かつては東南アジアを中心でしたが、レースは北米にも認められ導入されています。
多くの特許を保持し
高い技術力を誇る
当社の強みは、たくさんの特許を持っていることです。その1つに「ガンギ」というものがあります。従来レースはスピンドルから駆動をかけていますが、ガンギで外側から駆動をかけることで切削力を小さくできました。それにより、安定した切削ができるようになったのです。そのため、当社製品は板厚の精度が非常に高くなったという特長があります。
日本において林業は必要不可欠です。日本は森林大国ですから、林業については真摯にやっていかないといけませんし、森は再生していかないと意味がありません。
レースで単板を造り、そこから合板を造りますが、実際にはそこに二酸化炭素を閉じ込めてしまっています。合板を燃やしてしまうと大気中に二酸化炭素が放出されてしまいますが、住宅に使えばその排出量を抑えられます。
林業に携わる若い人たちが減っていますが、森林再生のためには若い力が絶対に必要です。地球を守るためにも、さらに若い人たちに林業に関心を持ってほしいですね。
名南製作所は2019年2月に愛知環境省 金賞を受賞している。
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