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【2026年度】林業用ドローン補助金ガイド〜再造林のトータルコストを縮減・省力化を後押し!

林業の現場でドローンの活用が加速している。苗木の運搬や測量など、急峻な山地での作業負担を軽減するスマート技術として、ドローン導入の機運は高まる一方だ。2026年度に林業事業者がドローン導入に活用できる補助制度を紹介する。

メイン画像:林業用ドローン(写真提供 ungvar@Sutterstock.com)

<目次>
1.森林集約・循環成長対策が活用可能
2.「省力・低コスト再造林対策」を2026年度に拡充
3.経済産業省・厚生労働省にもドローン導入の補助制度
4.都道府県・市町村の補助も要チェック
5.各地域の制度を活用してスマート林業をはじめよう

 

森林集約・循環成長対策が
活用可能

森林集約・循環成長対策(出典 林野庁)

林野庁の「森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策」のうち「森林集約・循環成長対策」は川上から川下までの総合的な取り組みを支援する制度で、林業の生産基盤強化や再造林の省力・低コスト化を図る事業者が活用できる。このうち一部のメニューでは、林業用の資材運搬ドローン等の購入・リースが補助対象となっている。

「省力・低コスト再造林対策」を
2026年度に拡充

林野庁は2026年度予算案で、森林集約・循環成長対策のうち循環型資源基盤整備強化対策の一環として「省力・低コスト再造林対策」を拡充している。育林従事者の減少や人件費・物価の高騰が続くなか、伐採後の造林から下刈りまでのトータルコストを縮減・省力化することが課題となっており、その実現を後押しする。

省力・低コスト再造林対策(出典 林野庁)

補助率は原則3分の2リースも対象に

省力・低コスト再造林対策は、造林作業のトータルコスト縮減や大幅な省力化が図られる取り組みへの支援であるが、これと合わせて苗木運搬用ドローンや植栽用ディブル、架線など、省力・低コスト造林に必要な資機材の導入も支援対象としている。リースも対象となる。補助率は3分の2の定額で、補助金額は最大66万6千円*。従来の再造林手法と比較して20%以上のコスト削減効果が得られない場合は2分の1となる。

* 同事業は都道府県がとりまとめを行う交付金により実施されます。事業内容や補助金額の詳細についてはお近くの都道府県森林・林業関係部局へご相談下さい。

申請の流れは、まず事業主体が下刈り終了まで(概ね6年間)の事業計画を作成する。6年間の総コストが従来比2割以上削減、または、コストが同等でも3割以上省力化が図られる計画として採択を受けたあと、計画に基づき施業を実施した場合に定額(3分の2相当)が支援される仕組みだ。

急峻な山地で苗木運搬を大幅に省力化

苗木運搬をドローンに切り替えることで、急峻な山地での人力作業を大幅に省力化できる。また、林野庁が示す試算によると、大苗を活用した場合、従来型の造林コスト約210万円/haが約159万円/haに低減され、トータルコストで約25%の削減効果が見込まれる。

また、下刈り機械を導入した場合は、人工数を従来比35%削減できるという事例も報告されている。なお、2026年度からはつる切り作業も新たに支援対象に追加された。

経済産業省・厚生労働省にも
ドローン導入の補助制度

林野庁以外の省庁にも、林業事業者がドローン導入に活用できる補助制度がある。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)

経産省のものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)は、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービスの開発や設備投資を行う中小企業・小規模事業者を支援する制度だ。

林業事業者がドローンによる森林測量請負などの新たなサービスを立ち上げる際の機体購入費に活用できる可能性がある。補助率は2分の1〜3分の2で、補助上限は申請枠などによって異なるため、最新の公募要領を確認しよう。

小規模事業者持続化補助金

小規模な林業事業者は、経産省の「小規模事業者持続化補助金」の活用を検討してみよう。ドローンを活用して施業を効率化したり、新たな販路を開拓したりする取り組みに対し、補助上限50万円~200万円の補助金が交付される。地域の商工会や商工会議所が窓口となっているため、相談しやすい点もメリットだ。

人材開発支援助成金(厚生労働省)

厚生労働省の人材開発支援助成金は、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を受講した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度だ。従業員にドローン操作の研修や講習を受講させる際に活用できる。

実訓練時間が10時間以上であることなどの条件があるため、詳細は最新の要領を確認しよう。経産省の機材導入補助金と厚労省の人材開発支援助成金を組み合わせることで、ドローン活用の効果を最大化できる。

都道府県・市町村の補助金も
要チェック

国の補助制度に加え、都道府県や市町村独自の補助金も見逃せない。たとえば埼玉県秩父市の「ドローン操縦者技能証明取得支援補助金」や福島県南会津町の「ドローン活用人材育成事業補助金」など、地域ごとに特色ある支援策が設けられている。(※2026年度に実施するかは、各自治体に確認を)

自治体補助金の確認方法としては、「(都道府県名・市町村名)林業 ドローン 補助金」で検索するか、地域の森林組合や自治体の林務課・農林課に直接相談するのが確実だ。担当者から最新情報を得るとともに、国の補助制度との重複申請の可否なども確認しよう。

各地域の制度を活用して
スマート林業をはじめよう

造林のためのドローン活用事例集(出典 林野庁)

2026年度は、林野庁の「省力・低コスト再造林対策」をはじめ、林業用ドローンの導入を後押しする補助制度が拡充される。そのほかにも、ものづくり補助金や持続化補助金、人材開発支援助成金など、目的や事業規模に応じて、さまざまな制度が設けられている。自社の取り組みに合った制度を組み合わせることで、機材の導入・運用コストを大幅に抑えられる可能性がある。

まずは地域の森林組合や自治体に相談し、活用できる制度を洗い出すことから始めよう。スマート林業への転換を加速させるチャンスを、ぜひ活かしてほしい。なお、林野庁では造林へのドローン活用事例をまとめた資料も公開している。導入を検討する際の参考にしてはどうか。

DATA

林野庁 2026年度当初予算案の概要
林野庁 ドローン活用事例


取材・文:佐藤美紀

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