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[チェンソーQ&A]毎日のメンテナンスはどの程度必要?

チェンソーは林業の現場で働く人々の相棒ともいえる道具の一つ。長く安全に使うためにはどのようなメンテナンスが必要なのだろうか。チェンソーの販売から修理までを長年手掛ける廣田靖典氏に教えてもらった。

毎日のメンテナンスは
どの程度行えばいい?

使用後は10分のメンテナンスタイムを。
スプロケット、ガイドバー、エアフィルター、ソーチェン刃の4ヶ所は必ず手入れしましょう。それほど手間もかからず、全部あわせても10分ほどでできます。

目立て

チェンソーの刃をヤスリで研ぐ作業が「目立て」。チェンソーのパフォーマンスを上げ、安全に使うためには、正確に研ぐことがとても重要。初心者がすぐにコツをつかむのは難しいので、正しい研ぎ方を調整してくれる「目立てガイド」を使うのがおすすめ。


中級者向けの丸ヤスリを使った目立て。


(左)チェンソーの刃を拡大した模型。上刃とデプスゲージが対になって働くので、両方の目立てを
行う。
(中)初心者におすすめの目立てガイド。
(右)1回の作業でチェン刃とデプスゲージを同時に研げるSTIHL社「2-in-1 やすりホルダー」なども。

 

エアフィルター

燃料を効率的に燃やすには、きれいな空気が必要不可欠。エンジンを効率よく使えば、燃費もよくなり、チェンソーも長く使えるようになる。方法は、本体からエアフィルターを取り外し、たまった木くずをトントンと軽くたたいて落とす。


STIHL社のエアフィルター。各社によって仕様が異なる。


取り外して、トントン

 

ガイドバー

ソーチェンをつけて切削部を構成する金属製のプレート。使用するうちにガイドバーの溝がソーチェンとの摩擦で削られ切れ味が悪くなり、エンジンにも負荷がかかる。目視で曲がりがないか、左右のレールの摩耗バランスが悪くないかをチェック。


ガイドバーとソーチェンが接触する箇所。段差がついたら交換する。


チェック方法はバーを垂直に見て!

 

スプロケット

エンジンの回転をソーチェンへ伝える役割を持つ重要なパーツ。摩耗すると、回転数が小さくなってソーチェンに負担がかかり、消耗が激しくなる。写真の部分に溝ができていないかをチェックしよう。0.2mmほどの溝があれば交換の目安。


左:摩耗した状態。中央に溝ができている。
右:触って爪がひっかからないかチェック。

 

※部品名・箇所は各メーカーにより異なる場合があります。
※メーカーによって仕様が異なるので、各メーカーの指示を確認した上、メンテナンスを行ってください。

教えてくれた人

GME株式会社代表取締役/
OREGON SHOP YOKOHAMA

廣田靖典さん


中古車やレンタル機器、小型機械などの修理工として腕を磨く中、チェンソーの機能美に魅了される。STIHL社の日本国内販売店の立ち上げに携わるなど、チェンソーの販売から修理までを手掛け、10年ほど前に独立。“世界で一番愛されるチェンソーショップ”を目指し、世界各地のチェンソーショップに勉強しに回る。大学でチェンソーの指導や初心者向けの個別講座も行っている。
HP:www.gme.center


取材・文:後藤あや子
写真:村岡栄治

FOREST JOURNAL vol.15(2023年春号)より転載

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