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要確認! 墜落制止用器具の2022年からの新ルール。林業ではどれを選べばいいの?

2019年2月、労働安全衛生法施行令等の改正により高所作業で使用する墜落制止用器具は『フルハーネス型』が原則に。2022年1月からは新規格適合の器具使用が必須になった。林業ワーカー必見ポイントを確認!

 

墜落事故はこんなにも多い。
より安全を求める法令に

皆さんの周りで「誰々が木から落ちた」「屋根から落ちた」という話を聞いたことはありませんか。減少してきているとはいえ、今でも年間約200人もの労働者が、墜落・転落災害で命を落としています。休業4日以上のケガ人も含めると、約2万人もいるのです。

2015年は全産業で墜落災害により248人が死亡しました。このうち安全帯が使用できていなかった者が236人でした。これは安全帯を身につけていたが“使用していなかった”と考えられています。

安全帯を使用していたにもかかわらず死亡災害となったのは6人。安全帯取付設備の強度不足やフックの掛け間違いなどが原因です。また、墜落時の衝撃による内臓の損傷、胸部の圧迫等の災害事例も報告されていました。

このようなことから、2019年2月に労働安全衛生法施行令等の改正が行われ、これまでの「安全帯」は「墜落制止用器具」と名称が変更され、高所作業で使用する墜落制止用器具はフルハーネス型を原則とすることとなりました。

2019年に墜落制止用器具の新しい構造規格も告示されましたが、その周知やメーカー、事業者、労働者の準備が必要なこともあり現行構造規格に基づく安全帯の製造・販売の猶予期間が設けられていました。それが2022年1月1日までであり、1月2日からは新しい規格に適合した墜落制止用器具を「使用しなければならなくなった」のです。

 



 

作業シーンに合わせて
正しいものを選ぼう

墜落制止用器具には胴ベルト型とフルハーネス型があります。

選ぶポイントは作業を行う場所の「高さ」

フルハーネス型

高さ2m以上の高所作業において、作業床等を設けることが困難な箇所で作業する場合は、墜落制止用器具を使用しなければなりません。


胴ベルト型

フルハーネス型の着用者が墜落時に地面に到達する恐れのある場合(高さ6.75m以下)は胴ベルト型を使用することができます。


U字つり胴ベルト


胴ベルト型を使うなら、ワークポジショニング用ロープとランヤードの併用が必須!

単独使用NG!
林業で従来良く使用されていた安全帯(U字つり胴ベルト)は、墜落制止用器具として使用できません。ワークポジショニング用器具として使用する場合は、作業時に別途、要件を満たす墜落制止用器具を追加する必要があります。

林業ではどれを選ぶの?
ワークポジショニング作業ができる、新規格に適合したフルハーネス型墜落制止用器具を選びましょう。ワークポジショニング作業とは、従来のU字つり胴ベルト型安全帯で身体を保持した作業を指します。ワーキングポジショニングのできるフルハーネス型墜落制止用器具を使用し、作業時にはワークポジショニング用ロープで体を保持し、ランヤードで墜落を制止するようにします。

参考資料:厚生労働省「墜落防止用の個人用保護具に関する規制のあり方に関する検討会」報告書

 


文・監修:梶谷哲也
イラスト:岡本倫幸

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