裸子植物の枝から高性能な浄水フィルターができる!? シンプルな作り方も一般公開中!
2021/12/06
「木材」の用途がとてつもなく幅を広げる今、海外の次世代林業トレンドから新しい林業の可能性が見えてくる? アメリカ発、裸子植物の枝を使った浄水フィルターををチェックしてみよう。
裸子植物の枝からつくられる
高性能な浄水フィルター
マツなど裸子植物の維管束を構成する「木部」には、薄い膜を介し、根で吸収された水や無機養分から細菌を除去する働きがある。
アメリカ・マサチューセッツ工科大学の研究チームはこの「木部」の浄化作用を活用し、安価で簡単に製作できる浄水フィルターを考案。裸子植物の枝を薄く切り、その断面を1時間、湯にさらし、のちにエタノールに浸して乾燥させるというシンプルな工程で完成し、水に含まれる大腸菌やロタウイルスを99%除去できる。
インドでの実地試験では、地元に自生するマツを用いてこの浄化フィルターを製作し、現地の水を効果的に浄水することに成功した。研究チームは、この浄化フィルターの作り方をオンラインで一般公開している。
©N.R. Fuller, Sayo Studio
文:松岡由希子
FOREST JOURNAL vol.9(2021年秋号)より転載