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「森かち」の活用で効率的なクレジット創出&販売先開拓を!【森林クレジット創出・販売のステップ】

森林クレジットの創出・審査・取引を包括的に支援するプラットフォーム「森かち」。具体的にどのようなサポートを受けられるのか、住友林業の曽根さんにお話を伺いました。

<目次>
1.森林クレジットを「森かち」で効率的に創出&販売
2.森林価値創造プラットフォーム「森かち」とは?
3.初期検討:候補地を絞り、収支を試算する
4.STEP1:データを整備する
5.STEP2:申請書類を作成する
6.STEP3:申請&審査機関とのやり取り
7.STEP4:森林クレジットを販売

 

森林由来クレジットを
「森かち」で効率的に創出&販売

省エネルギー設備の導入や森林経営などの取組による、CO₂等の温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証するJ-クレジット制度。森林経営活動においてもこの制度を活用して、クレジットの創出が可能です。創出されたクレジットの活用を通じて、地球温暖化対策への積極的な取組のPRを行うことや、クレジットを企業等へ売却することで、売却益を得ることができます。
ここでは、J-クレジット制度における森林由来クレジット(以下、森林クレジット)の創出~販売を行う上でのおおまかな手続きのステップを、支援サービス「森かち」の機能とともに紹介します。

※STEP1~3の「森かち」の機能は、2024年12月現在、住友林業によるクレジット創出コンサルティングサービスを受けているお客様に限定された機能となります。STEP4の販売機能はクレジット創出者であれば、どなたでも使用することができます。

森林価値創造プラットフォーム「森かち」とは?

「森かち」は、住友林業とNTTコミュニケーションズが提供する森林クレジットの創出・審査・取引を包括的に支援するプラットフォーム。

クレジットの創出者、審査機関、購入者のそれぞれにGIS機能を提供し、情報を地図上で一括管理することで発行プロセスの効率化とクレジットの信頼性向上を実現。森林クレジットの創出・流通活性化を目指す。住友林業によるクレジット創出コンサルティングを受けている事業者はもちろん、すでに森林クレジットの販売を開始している事業者も利用可能。

 

初期検討
候補地を絞り、収支を試算する

森林クレジットの創出にあたって、最初に決めなければならないのが対象森林です。森林簿や森林経営計画、施業履歴などの情報をもとにクレジット創出の候補地を、大まかに絞り込んでいきます。
またこの段階でクレジットの販売で得られる収入と、それまでにかかる経費を比較し、プロジェクト全体のコストパフォーマンスを試算しておくと「クレジットは創出できたけれど、結局赤字になってしまった」という事態も防げます。

森かちによるサポート

候補地選定から収支予測までを「森かち」が無償サポート! クレジット販売までの具体的なプロセスについても相談できます。
 

STEP1
データを整備する

対象森林が確定したら、改めてその森林に関わるデータを収集・整備します。特に重要なのが施業履歴。

吸収量の算定対象となるのは主として「1990年以降に間伐等の森林施業を実施した森林」ですが施業履歴が確認できないとクレジット算定対象森林から除外されてしまうため、抜け漏れがないように注意しましょう。「森かち」を利用すれば、事業者側は元データを提供するだけで各種データの加工・成形はコンサルタントに任せることも。整備後のデータはGISに搭載してくれるため、プロジェクトの全体像を視覚的に把握できるのもメリットです。

森かちによるサポート


GISはスカイマティクス社の「KUMIKI」を使用。「森かち」のユーザーページからビューワーが開けるので、いつでもブラウザ上で閲覧できます。
 

STEP2
申請書類を作成する


収集・整備したデータに基づいて、クレジット認証取得のために必要な申請書類を作成します。この書類はExcelファイルで数十シートに及ぶ煩雑なものですが「森かち」では事業者の負担軽減のために、書類作成の補助機能を提供。ウェブ上のフォームに必要事項を入力するだけで、スムーズに申請書類を作成できます。たとえば地域と樹種を指定すれば、収穫予想表と照合し、成長量などはシステム側で自動入力。繰り返しの入力といった作業の手間を省けるだけでなく、転記ミスも防げるので審査機関からの指摘による手戻りも少なくなります。

森かちによるサポート


入力フォームに必要事項を記入すると、クレジット認証取得のために必要な申請書類をExcelファイルとしてエクスポートできます。

 

STEP3
申請&審査機関とのやり取り

審査機関が申請書類を確認。書類に不備があれば修正対応が求められます。
「森かち」では、事業者側がアップロードした各種データやGISデータを審査機関側もブラウザ上で閲覧することが可能です。そのため書類確認もスムーズに。書類の修正などの際にわからないことがあれば、コンサルタントに適宜相談できることもメリットです。

ちなみに森林クレジットの取得にかかる審査費用は、150〜300万円程度。審査費用の一部を負担してくれる支援制度もあるので、その点も事前に把握しておくことをオススメします。

森かちによるサポート


各種申請書類を森かちへアップロードすることで審査機関との共有がスムーズになり、足りない書類が何かをチェックできるのも大きなメリット!

 

STEP4
森林クレジットを販売

審査機関による検証が完了し、クレジットが認証・発行されたらいよいよクレジットを販売!
「森かち」では買い手となる企業などが、販売中のクレジットを地域や在庫量などの条件で検索できる他、事業者ごとに個別プロジェクトごとの販売ページを設けられます。ここで森づくりへの想いや、クレジットで得た収益の活用方法、地域の魅力などをアピールすることが、他のプロジェクトとの差別化へとつながります。販売ページは事業者自身でも編集できますが、「森かち」ではプロのライターが取材に基づいて、わかりやすい原稿を執筆します。

森かちによるサポート


ポイントは、森づくりへの想いや、クレジットの活用方法などを、わかりやすい「ストーリー」として各プロジェクトのページに落とし込むこと!

 

教えてくれた人

住友林業株式会社

曽根佑太さん

森林クレジットに興味はあるけれど、何から手をつけていいかわからない。「森かち」はそんな事業者さまの悩みを解決するためのプラットフォームです。クレジットの創出候補の森林を絞り込む初期検討から販売までをトータルでサポートいたします。
初期検討は無償で実施しておりますので、まずはWEBサイトよりお気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせ

住友林業株式会社


FOREST JOURNAL vol.22(2024年冬号)より転載

Sponsored by 住友林業株式会社

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