農林中金が安全装備の導入費用を助成! 森林組合と森林組合連合会が対象に
2020/04/23
農林中央金庫は、森林組合および森林組合連合会が各種安全装備を購入した場合に費用の30%を助成する「林業労働安全性向上対策事業」の利用者を募集を開始した。今年度から、研修資材や作業補助器具も助成対象装置に追加されている。
助成の対象は安全装備品と空調服
今年度から研修資材や作業補助器具も
農林中央金庫は、森林組合および森林組合連合会が各種安全装備を購入した場合に費用の30%を助成する「林業労働安全性向上対策事業」の利用者を募集している。2015年度から毎年実施しているもので、今年度の募集期間は上期が4月1日~30日、下期が9月1日~30日。同金庫から直接助成を受ける形式と、全国森林組合連合会の購買事業を利用する間接助成のいずれかを選べる。間接助成の場合は、林野庁の「緑の雇用」事業など他の補助事業も併用できる(同金庫の助成額を差し引いた額に対する利用)。
助成の対象になるのは、チェーンソー防護ズボン・ブーツ、林業用ヘルメット、林業用ジャケット、林業用手袋などの安全装備品と熱中症防止を目的とした空調服(ファン付きジャケット等)。また、今年度から新たに伐倒研修キットと伐倒ガイドレーザーも追加され、これらを間接補助で導入する場合は、割賦方式(24カ月)で購入することもできる。
導入した装備の利用者は、①直営班の現業職員、②請負先、③助成対象団体の組合員、④各地の林業大学校などの学生――のいずれか。直営班の場合は、導入した装備を無償で支給しなければならない。②~④には販売した上で利用してもらう。その場合の販売価格は販売先と協議して決定する。
林業における労働災害については、死傷年千人率(千人あたりの死傷者数)が2018年度で全産業平均の約10倍にあたる22.4人と、他産業に比べて著しく深刻な状態が続いている。
同事業は、こうした状況を踏まえ、安全装備の普及率向上や労災発生率の低減に寄与することを目指して開始された。2015~18年度の合計助成額は3億3,600万円(1,691件)で、累計の利用者数は森林組合が480団体、森林組合連合会が29団体、助成対象人数は約33,000人に達している。昨年8月からは、下肢防護衣の着用が義務化されていることから、事業に対するニーズが一層高まっていると同金庫では分析している。
DATA
農林中央金庫営業企画部森林班
TEL:03-5220-9555
文:赤堀楠雄