急傾斜地現場のあらゆる悩みに応えたい─ こだわり抜かれた“林内作業車”が登場
2021/05/19
急傾斜地の現場の悩みといえば「アップダウンが多い」「旋回するスペースがない」「長尺材をバランスよく運べない」など。この問題を解決するマシンが、独創的かつ作業性の高い製品で知られる造林機械メーカー「筑水キャニコム」からデビューした。
全国各地の森林組合で
採用される信頼のメーカー
下刈りの軽労化・省力化を行う「山もっとジョージ」、荒廃農地の整備や林道・林地内下刈りに大活躍の「ブッシュカッタージョージJr.草なぎ」など、ユニークなネーミングでおなじみの造林機械メーカー・筑水キャニコム。“使う身になって作る”を体現したマシンは、全国の森林組合や林業会社などで採用されている。
昨年12月デビューしたのが、横積タイプのフォワーダ「やまびこレインジャー BY510」。このネーミングには「山で働く人たちは自然の生命を支えるヒーロー。“森林警備隊長”のやまびこレインジャーは、ヒーロー達を乗せて今日も自然を守っている」という熱い想いがこめられている。
スイッチバック走行可能で
低コスト搬出を実現
大きな特徴は、横積み方式の採用により、これまでの悩みだった長尺材の運搬がスムーズにできる点。スイッチバック走行も可能となり、旋回時のスペースも最小限で済むので、広い作業道や積み込み場所がなくても作業ができる。さらには、急傾斜地でも旋回の必要がなく、作業道開設も最小限に抑えられて低コスト搬出が可能に。前後に設けられたツーシートは視認性を高め、後ろ積み方式の林内車にはないメリットも生まれた。
新しいデザインのこだわりも随所に。日常点検する部品をエンジンカバー内部に集中させ、日々の点検作業がスムーズに。エンジンルームをコンパクトにし、荷台幅を従来機よりも50㎜拡張し、木材の搬出効率がアップした。
木材が引っ掛からない
こだわりのサイドポール
さらに新しくリニューアルされたのが、荷台部分のサイドポールの形状だ。サイドポールを角型から丸い形状に変更したことで、積み込み時の木材とポールの抵抗を減らし、木材の引っ掛かりを防止する。
サイドポールの固定機能も根本から見直し、荷台のロックプレートの耐久性を強化した。まさにかゆいところに手が届くといった作り手のきめ細かい心配りが感じられる。
ほかにも、車両の状態が一目で分かる表示モニターや、エンジン出力80%に抑えるECOモード、オペレーター近くに配置されて降車状態でも素早く作動できるエンジン緊急停止スイッチなどを搭載。そんな安全面でも頼もしい「やまびこレインジャー」は、よき仕事仲間、よき友人となって山で働く人々をサポートしてくれる。
DATA
やまびこレインジャー(型式:BY510)
・全長×全幅×全高:3180×1995×2140mm
・機械質量:2650kg
・最大作業能力:3100kg
・定格出力:37.4kW(50.8PS)
・登坂能力:25°
問い合わせ
株式会社筑水キャニコム
TEL 0943-75-2195
FAX 0943-75-4396
文:後藤あや子