注目キーワード

エコ・地域づくり

家庭や職場で育てた苗木が森をつくる! 新しい形の「森林保全」が誕生

山林所有者と事業体のマッチングサイトを運営する「ソマノベース」が、自宅やオフィスで育てた苗木を森に植林するプロジェクト「MODRINAE(もどりなえ)」の支援者をクラウドファンディングで募集中。自分の手で未来の森を育てられる!?

林業に関わらない人でも
気軽に参加できる山づくり

「土砂災害での人的被害をゼロにする」をビジョンに掲げるソマノベースは、20~30代の若手が集まるWEBメディア。代表の奥川季花さんは、高校時代に紀伊半島大水害により被災。この経験がきっかけで大学時代から水害と林業の関係に関心を持ち、林業の世界へ飛び込んだ。

土砂災害のない未来と豊かな森を次の世代に残し、森林保全・環境改善の観点から林業に関わる活動をしている。今回の「MODRINAE(もどりなえ)」は、林業に関わらない人でも、森林保全につながる山づくりに参加できるという画期的なプロジェクト。その支援者を2021年6月27日までクラウドファンディングで募集している。



モダンな鉢植えの苗木は
2年間の育成期間も楽しい

「MODRINAE」の支援者には、はじめに植木鉢と和歌山県の森で採取したどんぐりが届く。植木鉢にどんぐりをおいて、直射日光が当たらない場所に設置。毎日1回水やりすれば、約730日後に立派な苗に成長する。その後は、苗木をソマノベースまで郵送で送り、彼らの手により、和歌山県の森に植林される。支援者にはそのお返しとして植林の森の木材を使った製品が贈られるしくみだ。

苗と植木鉢は、食卓や職場のデスクに飾れる大きさで、観葉植物感覚でモダンなインテリアとして楽しめる。730日間という約2年の年月を自宅やオフィスでともに過ごせば、成長ぶりを見るのも興味深く、まるでペットのように愛着もわいて、日々のくらしに潤いを与えてくれる。



1本の苗木が
山から街の人々をつなぐ

育てる苗木は、和歌山県田辺市で植林を専門に行う林業事業体「株式会社中川」の協力により調達。苗木がうまく育たない場合は、同社の樹木医のアドバイスをLINE@やメールなどのツールを介してソマノベーススタッフが返信してくれる。苗木といっしょに届く植木鉢と育成後に届く木工製品は、同じく田辺市に工房を構える「atelierbobo」が制作。その木材も同市の国産ヒノキ材が使用され、地元の森にかかわる人々が一帯となってプロジェクトが進められている。

1本の苗木を通じて、山から離れて暮らす人々が、山や森に携わる人々とつながり、未来の山を育てることができる。こうした取り組みは、これからの日本の山づくりの新しいモデルになっていくはずだ。

DATA

MODRINAE

問い合わせ

ソマノベース
100BANCH


文:後藤あや子

林業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 【2025年版 チェンソー7選】メーカーに聞く「林業向け」機種、最適な1台は?
  2. サービス開始1年半で大反響!林業専門の求人サイトRINDOで、未来を担う最高の仲間を採用しよう
  3. フリーマガジン「フォレストジャーナル」最新冬号 12/1発行!
  4. 【林業機械展レポート】有害物質が少ない2ストロークエンジン専用の混合済み燃料「ASPEN2(アスペン2)」
  5. 木質チップ生産&輸送をシームレスに! 諸岡の荷台着脱式フォワーダでコンテナ運搬を効率化
  6. ベテランフォレスターが徹底比較! 現場目線で語るアイテム試着レビュー【ヘルメット編】
  7. なぜ広葉樹は1割しか植えられないのか? 全国の苗木屋をつなぎ、未来の森づくりへ
  8. 【2023年版 大型チェンソー7選】メーカーに聞く「林業向け」機種、最適な1台は?
  9. 【防寒対策】重ね着でスマートに暖を取る!レイヤリングの基本と実践ウェア
  10. 【林業機械展レポート】トヨタ自動車、狙った方向へ木を伐倒するレーザーマッピングを開発

フリーマガジン

「FOREST JOURNAL」

vol.26|¥0
2025/12/1発行

お詫びと訂正

» Special thanks! 支援者さま一覧はこちら