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林業者の取り組み

体系的に伐倒を学べるテキストづくりを! 死亡事故削減を目指したプロジェクトが開始

合同会社Woodsman Workshopが、伐倒の基礎から最新メソッドまでを学べるテキストの作成に向けてクラウドファンディングに挑戦している。多くの林業関係者からも注目を集める期待のプロジェクトだ。

「見て覚えろ」の
悪循環を断ち切る

林業の抱える大きな課題のひとつが、死亡事故の発生率の高さだ。なかでも危険なのが、死亡事故の60%以上を占める伐倒作業。逆にいえば、伐倒作業の安全性を高めることは、林業全体の安全性を高めることに直結する。
 
そんな観点から「伐倒作業を見直し、伐倒の基礎から最新メソッドまでを学べるテキスト」の作成をめざすのが合同会社Woodsman Workshopだ。
 
「間伐の促進(人工林の手入れ)」と「後継者の育成(必要十分な職業訓練の実施)」を目的に設立された同社。前身となったNPO法人時代から林業事業者を対象とした研修会を主催してきたが、ここ数年で研修会業務を大幅に拡充。代表の水野雅夫さんは年間で百数十日以上の講師活動を行い、これまで1,000人以上を指導してきた、まさに安全教育のスペシャリストだ。
 
そんな水野さんが死亡事故の減らない理由として指摘するのが、根強く残る「見て覚えろ」の習慣だ。「伐倒のための資格制度もトレーニングで基本技術を身につける仕組み」も存在しないため、作業者一人ひとりが伐倒の原理原則を物理的な裏付けを持って他者と共有することができず、結果として後輩には「見て覚えろ」と繰り返す悪循環が続いているという。今回のテキスト作成は、そんな悪循環を断ち切ることをめざしている。



テキストのベースになるのは、2020年6月に解散した「森づくり安全技術・技能推進協議会(FLC)」が発行してきた「森づくり安全技術マニュアル」(全4冊)。同書に最新の知見を加えて再編集し、「森林の生態と管理(仮題)」「手ノコで木を伐る(仮題)」「チェーンソーで木を伐る(仮題)」「10 Steps Method for Felling Training」の4冊として発行する計画だ。
 
なかでも「伐倒」に関する項目では、伐倒のメカニズムについてできる限り物理的、力学的な解釈を試みることで、従来のテキストや伐倒指導に比べ、ひとつひとつの作業の意味(目的)が明確になったそう。
 
既に多くの林業関係者の注目を集めている同プロジェクト。クラウドファンディングの開始当日に、当初の目標金額80万円を達成したことからも期待度の高さが伺える。さらに300部の発行部数を700部まで増刷するために掲げたネクストゴールの150万円も既に達成。
 
現在は、『「10 Steps Method for Felling Training」のためのコーチ(指導者)育成研修の運営費』『「森林生態と管理(仮題)」に基づいた研修(講義&実習)の運営費』にあてることを目的に、サードゴールの目標金額を300万円と設定して支援を募っている。支援募集は8月14日まで。
 

DATA

合同会社Woodsman Workshop

Facebook:@woodsman2015


文:松田敦

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